地元の名人が伝統を語り、高校生が書き記す。「聞き書き甲子園」で街おこし

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2016/08/17

名人の話を聞き書きする「聞き書き甲子園」

高校生が名人の話を聞き書きする「聞き書き甲子園」をご存知でしょうか。

「聞き書き甲子園」は、全国の高校生100人が、森や海・川などの自然を相手にし、自然とともに生きる名人を訪ね、彼らの話を聴いて、その知恵や技、人となりまで含めて記録する活動です。

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image by: 聞き書き甲子園

目的は「次代を担う高校生と名人との世代を超えた交流を通して、伝統技術の発掘・伝承、森づくりなどに対する理解の醸成、地域活性化、青少年の健全育成を図る」こと。

今年も8月に選考を通った100人の高校生が全国から集まり、「森の名手・名人」「海・川の名人」への取材に向けた事前研修が始まりました。

その後、研修を受けた高校生たちは聞き書きのための計画を作成し、9月から12月にかけて、それぞれが各地の名人を訪問して、実際に聞き書きを行います。そして、12月から1月でレポートにまとめ、3月には成果の発表会を開催するという段取りです。

この「聞き書き甲子園」が始まったのは平成14年。今までに参加した高校生は、すでに1,400人を超えました。名人が語るひと言ひと言が、若い彼らの心にどのような化学反応を起こさせるのか非常に興味深い活動です。今までの活動の記録は映像も含めて、「聞き書き甲子園」のWebサイトで見ることができます。

若者とシニア世代の交流プログラムは案外難しいものです。しかし、「聴き書きなら比較的取り組みやすいのではないでしょうか。しかも、記録として確実に形が残ります。さらに、その中には貴重なお宝が含まれているかもしれないのです。

シニア世代は、高知県の女性のように“聴き手”として活動することもできれば、次世代に体験を伝える“語り手”になることもできます。そういう意味では、地方創生の重要なキーマンとも言えるでしょう。

次回は、実例として、東日本大震災の被災者の聴き書きを行い、冊子として記録に残す活動で支援しているNPOを紹介します。


◆聞き書き甲子園 http://www.foxfire-japan.com/

注)文中には「聞き書き」と「聴き書き」の二通りの表記があります。「聞き書き」は一般名称であり、「聞き書き甲子園」での表記、「聴き書き」は次回紹介するグループが用いている表記です。この原稿では、両者を使い分けています。

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シニアライフアドバイザー。2000年から団塊・シニア世代のライフスタイルや動向を調査し、発信中。全国各地の自治体で「地域デビュー講座」の講師なども務める日々。当事者目線を重視しています。

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