きっかけは大震災。シンプルすぎるドライフルーツ「ご縁りんご」誕生話

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2016/04/20

きっかけは大震災。シンプルすぎるドライフルーツ「ご縁りんご」誕生話

渡邉さんは「何かしてもしなくても、このままではみんな潰れてしまう。それならとにかく何かしなくてはいけないという使命感のようなもので動いていた気がします」と当時を振り返って語ります。

考えた末に辿りついたのが、ドライフードという選択。日持ちもするし加工もしやすい、さらに原料となる食材もたくさんあるというのが理由です。とはいうものの、機械も何もない文字通りゼロからのスタートです。

無添加へのこだわりは「私が食べたいドライフルーツ」

「そもそも、それまでうちでは野菜や果物を扱ったことはないので、本当にすべてが手探りで、上手くいく自信も保証も何もないけれど、とにかくまわりの農家さんたちの声もあり、やってみるしかないという感じでした」。この言葉からも、当時の切羽詰まった緊張感がそのまま伝わってきます。

きっかけは大震災。シンプルすぎるドライフルーツ「ご縁りんご」誕生話

そんな非常事態の中で行われたドライフルーツ作りで、最初から無添加にこだわった商品を目指すのはハードルの高い試みだと思うのですが、それに至った理由はとてもシンプルなものでした。

「私自信、もともとドライフルーツが好きでよく食べていたんですね。でも市販のドライフルーツはみんなお砂糖がたくさんふってあって、添加物も使われているので、とても残念に思っていたのです。それで、自分たちで作るなら砂糖も添加物も使わないナチュラルなものを作りたいと思って」。

きっかけは大震災。シンプルすぎるドライフルーツ「ご縁りんご」誕生話

試行錯誤の末に完成したのが、渡邉さんの念願通り100%ナチュラルなりんごのドライフルーツ「ご縁りんご」。

しかし、商品のできあがりがとても満足のいくものであっても、2011年のあの時期に福島産の食品を作るという行為そのものに周囲が困惑を隠さず、風当たりは相当に強いものだったそう。

もちろん、F2Rでは食材の放射能数値を測り安全なものを原料としています。渡邉さんたちがまずやらなければならなかったのが、お客さまをはじめ同業者の方々にもその数値を見せ、きちんと説明すること。

イメージではなく事実を知ってもらうことで、少しずつ理解の輪が広がり、それは今でも続いていると言います。


安心安全な食べ物を選んで欲しい

きっかけは大震災。シンプルすぎるドライフルーツ「ご縁りんご」誕生話

現在、F2Rでは「ご縁りんご」のほか、梨や柿、変わったところではスイカやデコポンのドライフルーツも作っています。

農家さんからのリクエストや「これ を作りたい!」という社員の声から様々なドライフルーツ作りにトライ。最近では無添加ナッツやグラノーラも商品に加わっています。

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