商社を辞めてオリーブ農家へ!小豆島移住者が語る、島暮らしのリアル

2016.04.08
商社を辞めてオリーブ農家へ!小豆島移住者が語る、島暮らしのリアル

こんにちは、ジモココ編集長・まつこです。1週間ほど香川県小豆島・土庄町を訪れているんですが、取材を続けていると「実は私、小豆島に移住してきたんです」という島民の方が結構いるんですよね。

話を聞いてみると、いま小豆島に移住する若い世代が増えているそうで、その勢いは小豆島土庄町役場の移住担当・K氏が口角をクイッと上げながら「今の小豆島は、第2次移住ブームですよ!」と、ニヤけ顔を隠せない程!

ロハス女子も急増!?小豆島に移住者が殺到しているわけ

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土庄港にある瀬戸内国際芸術祭2013の作品「太陽の贈り物」

小豆島に移住者が急増している理由、その要因の1つは、3年に1度瀬戸内の島々が現代アートに染まるトリエンナーレ「瀬戸内国際芸術祭」があるそう。実は今年3月20日から、3年ぶりに瀬戸内国際芸術祭2016が開催されています。そう、私が小豆島土庄町を訪れているまさに今、瀬戸内は現代アートに溢れているんです!

瀬戸内国際芸術祭は世界中の現代アートの芸術家による作品が展示されるということで、国内外から多くの方が瀬戸内の島々を訪れています。イベントをきっかけに小豆島を訪れ、衣食住が島内で完結できるちょうどいいサイズ感の小豆島に魅力を感じた人や、離島でロハスなライフスタイルに憧れる女性など、ここ数年で多く移住してきているんだそう。

商社を辞めて家族で移住!オリーブオイルで世界最高峰も受賞

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大阪府出身の堤祐也さん。話のふしぶしに笑いを入れてくる、ユニークなオリーブ生産者さん

そうは言ってもカンタンではない島ぐらし、実際に移住してきた方のお話を伺おうと訪れたのは、土庄町でオリーブ農園「i’sLife (イズライフ)」を営む堤祐也さん。以前は東京の商社で働いていましたが、11年前に奥さんと子ども3人で小豆島へ移住してきました。

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オリーブ農園だけでなく、3年前には土庄町で自社製品の販売店「イズライフ」もオープン。自社製品のみならず、オリーブオイルソムリエの資格も持つ堤さんが厳選した、イタリア、スペインなど世界各国のオリーブオイルも取り揃えています。農園では今シーズンから搾油機も導入し、完全に自社で生産・加工・販売まで担えるようになり、生産規模も更に拡大中です。

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一番の人気商品「グリーンレモンオリーブオイル」は、2015ロサンゼルス国際エキストラバージンオリーブオイル品評会のフレーバーオイル部門にて、出品された全オリーブオイルの最高峰「金賞(つまり世界一!)」を受賞した逸品。小豆島産オリーブ果実とグリーンレモンを贅沢に搾油した日本では珍しいフレーバーオイルは、年間2500本しか生産されない希少品です。

自分でモノを作る仕事がしたい。堤さんがオリーブ農園を始めたわけ

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「私の母方の実家が小豆島にあったので、妻ともよく島を訪れていました。結婚する際も『いつか小豆島に移住をするかもしれない』と話をしていたので、移住するタイミングで家族から反対されることは全くなかったですね。子どもも当時1歳とかだったので、転校の心配もありませんでした」。

石材販売・建設業を営む叔父さんの会社を手伝う最中、「何か自分でモノを造り、直接お客様に喜んでもらえる仕事がしたい!」という、かねてからの思いを実現させるため、オリーブ農園を始めたそう。

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通常、オリーブの木は結実まで3年ほどかかると言われるため、商品化するまでに年月がかかります。小豆島で新しくオリーブ生産に携わる方の多くは、まず島内の大規模なオリーブ農園に就職し、ノウハウを習得します。

「オリーブ農園を0から始めるのは、よほど時間に余裕があるか、お金が有り余っている人でないと難しいですよ。私の場合、オリーブの木が安定し、オリーブ商品で収入になるまでは、建設業との二足のわらじ生活でした。オリーブを育てながら建設業で収入も得られましたし、農園を耕す際は建設業をやってたおかげで建設機械が役に立ちました」。

大切な子どもとの時間を確保。小豆島の子育てのしやすさを実感

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自社ショップがオープンし生産量も拡大していますが、現状「イズライフ」の従業員は堤さんを含めて6人だけ。現在4ヘクタールほどの土地で、1年間に約4000本のオリーブオイルを生産しています。オリーブ農園は、日々の剪定から春には農園の草刈り、猪や鹿などの害獣駆除、10月〜11月頃にはオリーブの収穫と、年間を通して休まる時期が少ないそうです。堤さんの農園では、手摘みにもこだわっているので時間も手間も多くかかり、また今シーズンから搾油機を導入したこともあり、かなりお忙しい様子。

「商社に努めていたころは、土日は休みでしたが毎晩遅くまで働いていましたし出張も多く、平日に子どもと触れ合える時間がほとんどありませんでした。今は逆に土日に子どもを連れて遠出したりできなくなりましたが、毎日子どもの近くにいられる小豆島での子育て生活はとても充実していますよ」。

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堤さん一家の暮らす土庄町は、移住制度だけでなく子育て支援などでも先進的な取り組みを行っている自治体のひとつ。堤さんのご家庭でも「土庄町子育て支援センター」を活用した交流のおかげで、ママさん同士の繋りも持つことができたそうです。また、土庄町内の求人情報のほとんどがハローワークに集まり一括管理ができるため、移住直後や産後の復職を希望する際も、就職がしやすいと言います。

小豆島で暮らすということ

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年々移住者の増える小豆島。移住者が地域に住み始めて直面する「地元住民との関係づくり」の難しさは、小豆島も同じだと堤さんは話します。

「もちろん小豆島でも、住民との関係づくりの難しさはありますよ。それは、この地に祖母の家があった私ですらそうでした。私は、移住者は最後まで移住者であることに変わりはないと思っています。だから、無理矢理にでも地元住民の方と距離を縮めようと頑張る必要もないですし、人間ですので全ての島民と仲良くなれるわけでもありません」。

それでもオリーブ農園を営む職業柄、島内のオリーブ事業者や関連事業者との関わりは日々かかせません。オリーブの島・小豆島だからこそ、「師匠」と仰ぐ大先輩の存在も身近に感じ、堤さんもそれを大切にしています。

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「移住者の増加に合わせて、小豆島には移住した人たちの交流会やコミュニティもできていますが、そこに顔を出すか出さないかも人それぞれですね。私自身は移住者コミュニティにあまり関わっていないので、ここ数年で移住してきている方々との交流は少ないかもしれません。私は2010年の瀬戸内国際芸術祭をきっかけに移住してきた人たちのお世話はやったので、最近来られた移住者の事は後輩移住者にまかせていますよ」と笑って話す堤さん。

サッパリとした性格の堤さんですが、今回の取材も快く応じてくれたり、土庄町役場主催の移住イベントや説明会などで、移住希望者にむけて小豆島の暮らしを紹介するなど、頼まれたらついつい引き受けてしまうんだそうです。

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小豆島に移住して11年の堤さんに、小豆島お気に入りスポットを伺うと「夕陽ヶ丘はいいですよ!」とのこと。名前からして夕日が最高に美しいのは言うまでもありません。海と山が近い小豆島ならではの絶景を拝むために、1時間以上もカメラを構えて夕日を待っている人もいるほどなんだそう。

小豆島土庄町への移住を決める、その前に

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「島ぐらし」と聞くと、優雅でのんびりしていて、健康的でロハスな生活が送れる…というイメージがあるかもしれません。ましてや島の規模感やインフラの充実した小豆島なら、意外と移住も容易いのではと考える方もいるかもしれません。

しかし、「なんとなく」で移住は続きません。一生暮らすかもしれない場所をポジティブなイメージだけで選ぶのではなく、自分なりに地域に溶け込んで長く暮らしていけるのか、深く考えてみてください。

小豆島土庄町への移住が気になった方は、土庄町島暮らし体験など、移住前にリアルな島ぐらしを体験できる施設もありますので利用してみてください。

さて。これから小豆島へ移住する方は、どんな場所がお気に入りになるんでしょうか?

PR:香川県土庄町

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まつこ
おんせん県(大分県)生まれ。 好きな大分料理は「吉野鶏めし」、もちろん冷蔵庫に「かぼす胡椒」は欠かせない。現在は、持ち前の酒飲み女っぷりを発揮し、東京の飲み屋をさまよう日々。

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