贅沢すぎるTKG。愛媛に伝わる、もう1つの「鯛めし」

2017.10.17
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全国各地の温泉をまわりながら、郷土料理を食べ歩く紀行作家・郷土料理写真家の飯塚玲児さん。その飯塚さんが四国をまわった際に食べた郷土料理の中でも最も印象に残ったというのが、愛媛県の「鯛めし」です。鯛めしといっても、愛媛に2種類の鯛めしが存在するようです。その2つの見かけと味の違いについて解説しています。

南予の鯛めし(愛媛県宇和島市)

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数年前、約1か月をかけて四国の温泉約100湯を巡った際、各地に伝わる郷土料理も食べ歩いた。中でももっとも印象に残ったのが、この「鯛めし」だ。

 

実は愛媛には鯛めしという料理が2種類ある。一つはこの南予風、もう一つは東予、中予地方に伝わる鯛めしである。後者の方が全国的には有名で、真鯛を丸ごと1尾、味付けしたダシで炊いた炊き込み飯である。炊き上がったら鯛の身をほぐして骨を取り除き、ご飯と混ぜて味わう。ゴマやアサツキ、大葉の千切りなどを散らす場合もある。これはこれで非常にうまい。むろん四国1周の際には、こちらの鯛めしも存分に味わった。鯛の骨や頭から出る旨味が、ほのかに褐色を呈したホカホカ飯に凝縮されている。茶を注いでサラサラと味わうのも、酒の締めには最高である。

 

だが、宇和島で味わった南予風の鯛めしは、見た目も食べ方もまったく違うものだった。新鮮な真鯛の刺し身を、だし汁に酒、醤油、みりん、砂糖、ゴマ、そして生卵を溶いた特製のタレに漬けて、アツアツの飯にかけて味わうのである。

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鯛は身が締まってプリプリだ。少し甘めのタレと生卵のコクのある味わいが、刺し身の味をいっそう引き立てる。鯛の刺し身がぬく飯に蒸され、にわかに白くなってくると、また違ったうまさが楽しめるのもいい。

 

最近では“TKGと呼ばれる卵かけご飯が人気を呼んでいる。この南予の鯛めしは“究極の卵かけご飯”といってもいいだろう。卵かけご飯のうまさは言うを待たないが、そのポピュラーな料理が、郷土名物の高みに上るためには、地元で獲れた鯛が欠かせない

 

同じ県内にまったく同じ名前の二つの料理があって、どちらも鯛を使っているところに、この地で古くから鯛を味わって来た歴史が感じられる。

だからこその郷土料理なのである。そんな地域文化に根ざした郷土の味の数々を、これからもご紹介していこうと思う。

 

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【著者プロフィール】飯塚玲児

愛知県生まれ。紀行作家、郷土料理写真家。編集部記者として月刊誌の編集に携わりながら全国各地を取材。『クチコミおでかけ旅情報』編集長、創刊50年を誇る現役最古の旅行雑誌『月刊旅行読売』の編集長を歴任したのちに退職、独立。これまで編集した雑誌や情報誌は数100冊、過去に泊まった宿は800軒余、入浴した温泉は3000湯を超える。現在、週刊メルマガ「飯塚玲児の“一湯”両断!」と、記事単位で人気作家の記事が読める「mine」が好評中。公式ブログ

 

 

ジモトのココロ編集部
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