大分県民がこよなく愛する「カトレア醤油」、その名前の由来は?

2017.10.27

すべてはお客様に喜んでもらうため。御用聞きスタイルを貫く

「カトレア醤油」を造るのは、別府温泉駅から歩いて5分ほどの距離にあるフジヨシ醤油。昭和23年創業の作り醤油屋さんです。別府の町によく似合ういかにも昭和を思わせるレトロな佇まいのこのお店は、白い壁にデザインされたカトレアの花が目印で、遠くからでもすぐにわかります。店内に入ると、ズラリと人気の「カトレア醤油」が並んでいました。

「うちは、創業以来ずっと卸しをせず、お客様に直接手渡すスタイルでの販売を続けているんですよ」と話してくれたのは「フジヨシ醤油」取締役の首藤富久恵さん

御歳91歳となる現社長の娘さんであり、「フジヨシ醤油」を切り盛りする人物です。その首藤さんが語るに、「フジヨシ醤油」では料亭をはじめとした飲食店はもちろん、個人のお客様へも営業が一本から無料で配達し、お声をかける御用聞きのようなスタイルを行っているというのです。

 

問い合わせはネットでのみが普通で、電話自体もなかなか繋がらないのが当たり前の昨今、それってまるで百貨店の外商のようなサービスですよね(と言いつつ、百貨店の外商など一度も利用したことがありませんが)。昭和の時代には近所の酒屋さんなどはみなこのスタイルでビールやジュースを届けてくれていたものですが、最近ではすっかり見なくなりました。説明されてもピンとこない人も多いと思いますが、とにかく手間ひまがかかるサービスだということはおわかりいただけると思います。

 

そんな「フジヨシ醤油」の看板商品とも言える「カトレア醤油」は、自慢の手作り醤油にかつおの旨味をブレンドした出汁醤油。話を伺ってみると、そもそもの始まりはどうやらこのお客様への御用聞きスタイルにあったようです。

 

 

誕生のきっかけは、あるとき“家庭で料亭の味に近い料理を作りたい!”というお客様の声を耳にしたことだったそう。

どうしたら簡単に家庭で料亭の味を出せるようになるかを考え、いきついた答えが、それ一本でかけ醤油から煮炊きにも使える“万能な醤油”。お客様の要望に応えるべく、研究と開発、そして様々な試行錯誤を重ね、数年の月日を費やしてようやく誕生したのが現在カトレアの花のラベルでお馴染みの「カトレア醤油」なのです。

発売当初は醤油らしからぬ名前に「ワインか?」とか、通常の醤油の倍以上はする高い価格から「そんな醤油は売れないだろう」とも言われたそう。ところが、一度試したら虜になってしまう確かな味はじわじわと人気を呼び、支持を集めました。人から人づてに「カトレア醤油」の美味しさはコチコミで広がり、今では県民から愛される別府の、いやいや大分の逸品となっています。一度名前を聞いたらすぐに覚えられる「カトレア」の名前のインパクトが結果的に大きく吉と出たのは言うまでもありません。

 

ちなみに、この万能醤油ができあがった当初「カトレア醤油」という商品名はなく「特別手作り醤油」と呼んでいたのだとか。地元の山や川の名前を使った名前など色々と候補にはあがるけれど、どれもいまひとつピンとせず、何かいいネーミングはないかと考えあぐねていたときに、偶然社長が目にした一枚の先代の写真が「カトレア醤油」の名前の大切な由縁となっています。

「社長が目にしたのは、カトレアの花を手に満面の笑みを浮かべる先代の写真だったんです。実は、先代の趣味は洋蘭を育てることで、中でも一番のお気に入りがその写真に写っていたヒベリオンという品種のカトレアの花。その写真の中で最高の笑顔で笑う先代を見たとき、社長は商品名は“カトレアだ!”と閃き、それがそのまま商品名になったんです」と、首藤さんは「カトレア醤油」の名前の由来を教えてくれました。

初代社長である山下亀吉さんは、現社長はじめ副社長、専務、部長夫人のお父さんであると同時に社員全員の商いの師でもあった人物。「フジヨシ醤油」のみなさんの様々な想いがこめられたネーミングだったんです。

そんなエピソードを持ってして生まれた「カトレア醤油」。ちなみに、ラベルにドンとプリントされたカトレアの花はこのときの写真からとって使ったもの。残念なことに、その写真自体はなくなってしまったそうですが、カトレア醤油のラベルを見るたびに先代夫婦に見守られて仕事をしている気がするというのも深く頷けます。

現在、この人気の「カトレア醤油」は、薄口醤油とブレンドした「カトレアホワイト」や「カトレアさんの万能みそつゆ」「カトレアさんの塩麹ソース」など「カトレアシリーズ」として様々な商品がラインナップされています。他にも大分県産のカボスをたっぷりと使った「カボス醤油」もリピーターの支持が多い人気商品。お客様とのコミュニケーションに耳をかたむけ、その独自のマーケティングからニーズをひろい数々のヒット商品を造り出していることがわかります。

 

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社是に“誠実・安全・報恩・感謝”を掲げ、会社のモットーは“美味しく、安全な商品を、心をこめてお届けし、買って喜ばれる”ことという「フジヨシ醤油」。「カトレア醤油」は、そのまっすぐな姿勢が直球で伝わってくる商品と言えるかもしれません。

ちなみに、別府温泉のお店まで買いにいかなくても、大分空港のお土産品コーナーにはずらりと「カトレア醤油」が並んでいました。ラストミニッツのお土産ショッピングでもゲットできるので、まぁ、まずは騙されたと思ってぜひみなさんも一度ご賞味あれ!

 

フジヨシ醤油オンラインショップ

 

 

info
記事中に登場する商品は「フジヨシ醤油」のホームページから購入可能です。なお、「カトレア醤油」と「カボス醤油」は有楽町にあるおおいたアンテナショップ「温泉座」にて150mlのものが購入可能です。アマゾンでも購入できます

 

小林繭
東京生まれ、湘南生息中のフリー編集ライター。沖縄、ハワイ、島、旅モノやロハスネタを発信中。All About沖縄ガイド。目下、踊れる編集ライター目指し趣味のフラメンコに取り組む日々。

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