地味だけどすごい。豊島区の企業が集結したものづくりイベントに潜入

2017.03.08
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ふと、通勤途中の駅で見かけたイベント広告、「第10回としまものづくりメッセ開催(3月2日~3月4日)」。地域に根付いたものづくりということで、なんだかおもしろそう!と思い、今回このイベントに潜入してきました。 本能によって生み出され、知恵によって進化した地域のものづくりのいまをレポします!

豊島区は「ものづくりの街」だった

特別出展として、漫画文化の伝説的建物、ときわ荘についても出展

ものづくり」というカテゴリーの文化は非常に歴史が古く、大枠でとらえるならば、陸上で暮らす動物のほとんどには、巣(住居)を作るという「ものづくり」の本能が備わっているとさえ言い得るものだと思います。

また、こうした本能による文化に起因してかは、わかりませんが、日本の歴史の中で、企業としてのものづくりを始めたのは、金剛組という宮大工の集団でした。この金剛組という企業は、世界最古の企業としてギネスにも登録されております。

こうした事実を踏まえると、人々はそれぞれの土地に居を構え、そこで知恵を絞り、様々な道具を作成してきたと言えるのではないでしょうか? そう考えると、ものづくりの歴史は、人々の歴史そのものと言っても良いと思えてきます。

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豊島区の伝統工芸展として、べっ甲を使った髪飾り作りなどの実演もやっていました。

さて、そんな人々の暮らしに欠かせない「ものづくり」ですが、今回「としまものづくりメッセ」が開かれた豊島区では、どのようなものづくりが盛んなのでしょうか?

今回で10回目を迎える「としまものづくりメッセ」ですが、第1回目のとしまものづくりメッセの公報によると、豊島区の工業出荷額の半分は、印刷関連業が担っているのだそうです。印刷関連のものづくりは歴史が古く、そういった産業が脈々と受け継がれて来たのかもしれませんね。

なるほど! 豊島区に造幣局があるのはそのためか!と思っていたら、なんと、造幣局では主に貨幣を製造し、紙幣の製造は行っていないのだそうです。ちなみに、紙幣の製造は、国立印刷局が行うそうです。思わぬところで1つ勉強してしまいました。

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ロボット部!現代的な中学校の出展ブース

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なんだかレベルが高いぞ!中学生の作品

実際のとしまものづくりメッセでは、豊島区に拠点を置く企業を中心としつつ、各地の工芸品や伝統文化、その他、国定保存技術に関する展示や体験も執り行われていました。

豊島区のイベントとして行われていたため、大々的な展示会などのイベントに比べ、アットホームで、ゆっくり話を聞いたり、見たりすることができ、“企業向け”というよりも“一般の方向け”に、身近なものづくりや伝統工芸などを知ってもらおうといった雰囲気。そのように感じたことの一因としては、出展ブースの中に、地元中学校の部活(出展:豊島区千登世橋中学校ロボット部)のブースなどがあったためかもしれません。

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足の癖に応じたインソールを製造販売している(株)村井さん

各種ブースでは、リサイクル石鹸作りや、食品サンプル作りサンドブラスト加工など、それぞれ出展に沿った体験コーナーを設けていました。

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ヱスケー石鹸(株)さんのリサイクル石鹸作り体験コーナー

さて、体験コーナーの中のリサイクル石鹸作りは、飲食店や街で回収された廃油を利用した手ごね石鹸を型枠に入れて形成するというものでした(出展:ヱスケー石鹸(株))。

お話を伺ったところ、リサイクル石鹸は、その原料の5割から8割程度を廃油でまかなっているそうです。そして、豊島区の決められた地域やリサイクルセンターでの回収日も定められているそうです。

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自分フィギュアの3D撮影体験。フィギュアのイメージが表示されます。目線が上に行っているのは、カメラの位置がやや上にあるため

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3Dステレオカメラ。内部に複数のカメラが複数設置されています

次に、面白いなぁと感じたものが、3Dステレオカメラを使った3D撮影と3Dプリンターを利用した自分フィギュア作りです(出展:(株)クロスワン)。

3D撮影と3Dプリンターを使ったものづくりとは、実に今風のものづくりですよね。出展ブースでは、3D撮影体験のみでしたが、撮影データによって形成されるフィギュアを画面上で再現してくれるサービスがありました。

実際に体験してみたところ、卵型の容器の中に複数のカメラが設置されており、その中に顔を入れて撮影すると、ほんの30秒ほどで撮影が終了し、画面に自分フィギュアのイメージが投影されていました。フィギュアは、衣装や装飾などにより、値段が変わってくるそうです。 

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光る竹割缶。竹の外観がとてもリアルです

また、実際の生活の中にあったら目を引くと感じたものが、マキノ製缶(株)さんの光る竹割缶です。竹をイメージしたデザイン缶で、蓋部分が、竹を斜めに切ったような意匠とされています。

この形だけでも目を引くのですが、この缶、なんと蓋の上部(切り口部分)に、蓄光塗料が使われており、暗くなると光るのです!まるで、竹取物語のようで幻想的ですよね。生活の中では、茶筒などとして使えそうなサイズなので、手元に置いておきたいなと感じました。

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薬師寺一彦氏の作品1

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薬師寺一彦氏の作品2

その他、特別展として展示されていた薬師寺一彦氏の“水の彫刻”も、魅力的でした。“水の彫刻”は、海を切り取ったような表現作品で、アクリルに独自の方法による彫刻を施した作品だそうです。

ガラスよりも透明度の高いアクリルによる彫刻作品は、見ていると吸い込まれそうな美しさや深さを感じました。

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国選定保存技術による金唐紙。和紙に金箔を貼り、版木に当てて、凹凸を出している

 

地域に根付いた伝統文化から最新技術の他、各地を代表する日本のものづくりの情報がギュッとつまった“としまものづくりメッセ”、今まで知らなかったものづくりと地域をつなぐ様々な取り組みについても知ることができ、とても勉強になりました。来年も開催されれば、是非訪れてみたいと思います。

 

梅原 慎治
埼玉県生まれ、都内在住のツーリングライター。主に関東近郊を走り周り、美味しい物や良い景色などを見つけて楽しんでいる。趣味としてフルコンタクト系の空手も嗜んでいる。

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