ここはドラクエのダンジョンか。東京にある「日原鍾乳洞」で日帰り探検

2016.09.19
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「夏は涼しく冬は暖かい」、「神秘の世界」そんなキーワードの下、鍾乳洞が密かなブーム。最近では、SNS上に悠久の時を跨いで築かれた神秘的な風景の写真をアップする「鍾乳洞女子」なんて方々もいるとか。そんな噂を聞きつけて、ツーリングライターの梅原も、東京の鍾乳洞を探索しに行ってみました。ここで、「え? 東京に鍾乳洞ってあるの?」と思った方、ナイスな反応です。実は東京都内にも観光地化された鍾乳洞、いわゆる観光洞が存在するのです。しかも、観光洞としては、関東随一のスケールを誇る鍾乳洞が東京都内にあるのです。

東京にもあった鍾乳洞!大人も夢中になれる洞窟へ探検

その場所とは、東京都西多摩郡奥多摩町です。そもそも鍾乳洞とは、石灰岩が雨水や地下水により溶かされる事により形成された空洞溶食洞窟)の事を表すものですから、石灰石の採掘場などが存在するこの地域(奥多摩)には、鍾乳洞が存在している可能性が高いわけです。

清流を臨むように階段を下りて行くと鍾乳洞の入口が見えてくる

実際、奥多摩町には、多くの鍾乳洞が確認されており、現在、主な観光洞として公開されている鍾乳洞が、関東随一のスケールを誇ると言われており、東京都の天然記念物にも指定されている日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)なのです。

鍾乳洞入口手前は、滝しぶきによるマイナスイオンでいっぱい

さて、前置きが長くなりましたが、そんな日原鍾乳洞に潜入した様子を写真と共にご紹介したいと思います。まず、鍾乳洞入口です。入口の脇には、多摩川水系の支流である日原川が流れています。その滝状の流れや岩山が、冒険心を駆り立ててくれます。

入口に足を踏み入れると一気にヒンヤリ!岩の照り返しが怪しさ満点

入口に足を踏み入れると、外界とは違った空気感が漂います。洞内の平均気温は、年間通して約11度と言われています。この日は夏日だったため、足を踏み入れた瞬間、“涼しい”を通り超して“寒い”と感じました。このため、夏場の入洞には、羽織る物を持っていく事をお勧めします。

水琴窟の様子。実際には、どこで音が鳴っているのか特定が難しい

そんな洞内は、照明が設置されているとはいえ、外に比べると暗く、滴り落ちる水によって濡れた岩肌が照明に照らされて怪しく光っています。さらに、せり出した岩や低くなった天井など、その雰囲気としては、ロールプレイングゲームの“ダンジョン”をリアル体験しているといった感じです(ちなみに写真は説明のため、シャッタースピードを遅くして、実際よりも明るく見えるように撮影しています)。

洞内をしばらく進むと、水琴窟と名打たれた場所があります。説明によると、水を張った瓶に滴り落ちる水音の響きを聴く事ができるとの事。実際に聴いてみたところ、鉄琴よりもさらに高い、“透き通った音”という表現が似合う「キーン」という音が響いていました。心穏やかになる音色です。

見え難いが、うっすらと水が流れている三途の川

洞窟の深部には、地底というイメージからか、三途の川や地獄谷さいの河原など、仏教でいう“あの世”や“地獄”をイメージさせるおどろおどろしい名称が付された場所が目立ちます。

そんな中、“あみだの原”や、“死出の山”と銘打たれた場所は、ここが自然に作られた地下空間なのかと驚くほどの大空間で、圧倒されます。この空間を照らす彩り溢れる照明は、2014年4月にリニューアルされた際に設置された物のようです。それ以前は、単色の照明が設置されていたようですが、今よりも薄暗く、懐中電灯などを持っていないと、高い天井の様子をうかがい知るのが難しい状態だったようです。

あみだの原から、はるか上にある大空間の天井を見上げた様子

この日原鍾乳洞には、昭和37年に東海大学学生探検隊が発見した新洞と呼ばれる箇所があります。どちらかというと緩やかなアップダウンとゴツゴツした岩肌が目立つ旧洞(新、旧は、発見された時期によるもの)に比べて新洞は、急峻なアップダウンと鍾乳洞らしい鍾乳石が目立ちます。

鍾乳石が見られる通路は、そのほとんどが金網で覆われていますが、監視の無い洞窟内で、心無い悪戯から鍾乳石を守るためには仕方のない事なのかもしれません。なにしろ鍾乳石(上から垂れ下がっているもの)は、1cm伸びるのに約70年、石筍(下から伸び上がっているもの)にいたっては、1cm伸びるのに約130年かかると言われていますから、事故があっては大変です。

死出の山の上り口。この先に、さいの河原や縁結び観音が存在する

このように、比較的平坦な旧洞と、昇降が激しい新洞から成る日原鍾乳洞では、旧洞にある大空間の階段を上った先(死出の山の先)に、縁結び観音が設置されています。なぜこんな場所で縁結びなのだろう?と疑問に思う方も多いかと思われますが、心理学的には、洞窟と恋愛というのは、密接な関係があるようです

「熊、猫、犬、馬、洞窟で出会ったのは?」こんな心理クイズをご存知でしょうか?

これは、暗く光の届かない洞窟の中という状況を、恋人が欲しいと願い孤独の中をさまよっている状況に照らし合わせているそうです。そして、そこで出会った動物は、回答者が次の恋で出会いたい相手の象徴であり、潜在意識が求めている異性の姿なのだそうです。

入口看板の説明によれば、鍾乳石の黒曜化は、江戸時代に松明を持って洞内の案内が行われていたためだという

こうした心理分析からは、薄暗い洞窟の中で心細いという状況に置かれた場合、最も近くに居る相手というのは、出会いたい象徴=“理想の相手”として、潜在意識に刷り込まれる可能性が高いのではないではないかという仮説を立てることができます。

大小様々な鍾乳石や石筍を見る事ができる大天井

このような理由から、薄暗い鍾乳洞でのデートの後は、お互いを“理想の相手”として意識し合うようになる可能性が高く、“縁結び”としての観音様の効果が高いと言えるのだと思います。これは、心理クイズに基づく仮説に過ぎませんが、興味を持たれた方は、気になる異性を鍾乳洞デートに誘ってみてはいかがでしょうか?

竜王の間の一角、白滝。石灰成分が付着した岩が滝のように見えるからだろうか?

ちなみに、上の心理クイズの答えに関して、“熊”と答えた方は、“男らしく器の大きな人”を求めており、“猫”と答えた方は、“マイペースで個性的な人”、“犬”と答えた方は、“あなただけを愛してくれる誠実な人”、“馬”と答えた方は、“礼儀正しい人”をそれぞれ求めているという事です。

細長い石筍は、およそ2m50cmにもおよび、金剛杖と呼ばれている

簡単な心理クイズなので、この答えに関しては、納得できる方も、納得できない方もいらっしゃると思います。お時間がある方は、いっその事、本物の洞窟で、あなたの潜在意識が求める相手の姿を探してみるというのも、一興かもしれません。

せり出した岩の間の急な階段を下りて行く白砂峡

日原鍾乳洞に関するお得情報として、日原鍾乳洞のホームページにて、700円の入洞料が600円となる割引券を手に入れる事ができます。また、電話確認したところ、奥多摩町の観光案内所でも、割引券が配布されているとのことでした。

奥多摩町の観光案内所は、青梅線の奥多摩駅近くにありますので、バスを利用して鍾乳洞へ向かう際には、バスを利用される前に立ち寄ってみるのも良いかと思います。

日原鍾乳洞
東京都西多摩郡奥多摩町日原1052
Tel: 0428-83-8491
日原鍾乳洞ホームページ

 

梅原 慎治
埼玉県生まれ、都内在住のツーリングライター。主に関東近郊を走り周り、美味しい物や良い景色などを見つけて楽しんでいる。趣味としてフルコンタクト系の空手も嗜んでいる。

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