森に真っ白な建物を作ったわけ。那須塩原の自然は「公園の父」から始まった

TRiP EDiTOR編集部
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2015/08/15

森の中を進むと、不思議な建物に出会いました。

栃木県那須塩原市、那須塩原駅から車で県道を走ること約20分。森に囲まれた国道を進むと、木々に紛れてひっそりと佇む真っ白い四角い建物が見えてきました。

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那須塩原は、周囲を那須岳や茶臼岳など、山々に囲まれた土地。山から生まれた小川や渓谷、ふもとには牧場が立ち並んでおり、森の恵みがまちを育ててきたと言っても過言ではありません。

そんな那須塩原の森の原点を知るスペースがあるという話を聞き、編集部が那須塩原市で活動する地域おこし協力隊の豊田さんと「森をひらくこと、T.O.D.A.」を訪れたのは梅雨も明けきらない7月半ばのことです。

過酷な土地、那須塩原の森のはじまりは「公園の父」

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森が持つ清々しい空気と、印象的な建物に見とれていると、オーナーの戸田香代子さんが出迎えてくれました。

エプロンを身につけた戸田さんがまず案内してくれたのは、「森をひらくこと、T.O.D.A.」にふたつある建物のうち、那須塩原の畑や牧場で採れた素材を使った料理がいただけるカフェスペース「KITCHEN PLACE」です。

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「こちらでお料理を作ってくださっているのは、地元の主婦の方々なんです。当初は、東京からフードコーディネーターの方にきていただいていたんですが、やはり地元の素材の使い方は地元のお母さん達が一番よく知っていますよね」。

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こちらでは季節ごとに旬の野菜や那須町にある森林ノ牧場で作られる牛乳などを使った料理がいただけます。

那須塩原市には東京にあっても引けを取らないほどの洗練された店舗や施設などが多くあるのですが、その中でも「森をひらくこと、T.O.D.A.」は森と人との共存をテーマに掲げています。

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「私の祖先の戸田氏が明治20年に、原野状態だったこの地の開墾に着手しました。当時の那須塩原は土を掘っても石だらけの過酷な土地で、5年たってもなかなか森が育たなかったんです」。


そんな那須塩原の土地が変貌を遂げたきっかけは、東京都の明治神宮の設計・改良にも携わり、「公園の父」とも言われる本多静六さんの存在だったそうです。

「本田さんの『木を植えて、林業で稼ごう! 作物はそれからだ』という言葉を皮切りに、カラマツの木を植え始め、開墾開始から10年で那須塩原の戸田の土地の開墾は、成功と言えるまでになりました。地域で一番最後に開墾を始めたのに、最終的には地域で一番最初に土地の資源を薪や炭として出荷するなどの有効活用に至ったんです」。

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