1600羽のフクロウが待つ、和歌山の名所「行列のできるパワスポ郵便局」

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2017/07/03

年に4度は和歌山県を訪れるという構成作家の吉村智樹さん。メルマガ『「まちめぐ!」吉村智樹の街めぐり人めぐり』では、海産物に和歌山ラーメン、ローカル線の心洗われる旅など和歌山県の魅力を記していますが、メイン記事は全国からお客さんが足を運ぶという郵便局。

この山間の街に佇む小さな郵便局が、なぜ行列のできるほどの人気を誇っているのでしょうか。

いったいなぜ 1600羽ものフクロウで埋め尽くされた郵便局

旅に出ると不思議がいっぱい。たとえ郵便局とて見過ごすことはできないのです。
旅に出ると不思議がいっぱい。たとえ郵便局とて見過ごすことはできないのです

フルーツ王国と異名をとるほど、くだものの収穫が盛んな和歌山県。とりわけ県の北部に位置する紀の川市(きのかわし)は、住民の20%近くがフルーツ産業従事者という一大果樹園地帯。

はっさくやいちじくの生産高は日本一。そういえば以前に紀の川市の観光ファームで購入したはっさくのマーマレードは、目がさめるほどフレッシュでおいしかったなあ。

さらに紀の川市は、糖度が高く、みずみずしい桃の産地としても名高い。なんと握ってくれるお寿司屋さんまであるという。

このフルーティなエリアを走り抜けるのがJR和歌山線。雄大な紀の川と沿うように走行する単線だ。ローカル線のつねながら、運行本数は決して多くはなく、正直、便利な路線だとは言いがたい。

しかし、とことことろとろと列車に揺られ、みどり広がる車窓を眺めまどろんでいると、こころのなかで実ってしまった日ごろのストレスがもぎとられてゆく爽快感をおぼえる。

和歌山駅から7つ目の「下井阪」(しもいさか)駅で下車した。ICカードも使えない無人駅。周囲にも特段に語るべき観光名所や景勝地はない。一見、日本のどこにでもある、おだやかなカントリータウン。

しかし……この下井阪には、全国から人々が訪れ、ときには行列ができるほど人気誇る郵便局」があるという。


ゆ、郵便局?

なぜ全国から、わざわざ和歌山県の山あいの町にある郵便局に? 「ここでしか手に入らない、フルーツ満載の限定ケーキやパンの店がある」のならば全国からグルメが押しかけるのも理解できる。

でもでも、郵便局って、全国どこでもほぼ同じでしょう? 極端にはがきや切手代が安い、なんてことがあるはずがないし。

訪ねたのは、「下井阪」駅から徒歩10分ほどの場所にある「下井阪簡易郵便局」。外観を前にすれば、なるほど、全国から人々が訪れる理由がうっすら推測できるほどに、大きな特徴がある。建物に点々とフクロウ鎮座しているのだ。

早くもただごとではない予感をはらむ外観。
早くもただごとではない予感をはらむ外観

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郵便局の建物のあちこちに謎のフクロウがとまっている。
郵便局の建物のあちこちに謎のフクロウがとまっている
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