玉ねぎで島を盛り上げたい。淡路島の「おっタマげ」な活動が話題

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2017/12/06

瀬戸内海に浮かぶ最大の島といえば、兵庫県の「淡路島」。そんな淡路島の南部に位置する「南あわじ市」がいま「玉ねぎ」で島おこしをはかっています。

玉ねぎのイケメン王子様によるエスコートや「玉ねぎになれる」コスプレまで。いったいなぜ? 玉ねぎ王国と化した島の様子を探りに行ってきました。

食材が豊富な「南あわじ市」

南あわじ市」。兵庫県の最南端に位置する、自然の恵みに溢れた街。播磨灘、鳴門海峡、紀伊水道と名だたる大海原に面し、天然の鯛やハモなど高級魚が獲れるほか、うず潮にもまれて身が締まったトラフグの養殖も盛ん。

さらに近畿では珍しくウニの素潜り漁が行われ、「うにしゃぶ」が新たな名物となっています。

三方を海で囲まれた「南あわじ市」

また野里に目を転じれば、肉質等級A・B3〜4以上など厳しい条件を満たしたブランド牛「淡路ビーフ」を育てる牧場をいだいています。南あわじ市は絶品な海鮮や優良肉のふるさと。言わばグルメ天国なのです。

そんな南あわじ市にいま、あるひとつの食材で島おこしをしようと努める人たちがいるのです。その食材とは「玉ねぎ」。

甘くてやわらかいと評判の南あわじ産玉ねぎ

確かに南あわじ市は玉ねぎが多く栽培されています。兵庫県は玉ねぎの収穫量が日本で第3位(農林水産省統計2015より)。南あわじ市はそんな兵庫県産玉ねぎの、およそ15%を占めるほどの生産高を誇るのです。

とはいえ高級魚やブランド牛ではなく、あえて地味なイメージがぬぐえない玉ねぎで大々的なアピールを始めたのはなぜなのか? その理由を解き明かすべく、本拠地となる「うずの丘 大鳴門橋記念館」を訪ねました。

玉ねぎで島おこしをはかる発信地「うずの丘 大鳴門橋記念館」

玉ねぎの王子様が登場! 

うずの丘 大鳴門橋記念館」を運営するのは株式会社「うずのくに南あわじ」。観光施設の営業やみやげ物を販売する、南あわじ市出資の第3セクターです。


足を踏み入れれば……噂にたがわず、本当にオニオンパラダイス!

玉ねぎを使ったファストフードの数々、小高い丘に鎮座する高さ2.8メートル、直径2.5メートルにも及ぶ巨大な玉ねぎオブジェ「#おっ玉葱」、すっぽり身体がおさまる「おっ玉チェア」、玉ねぎがつかめるクレーンゲーム「たまねぎキャッチャー」、レンタル無料の「たまねぎカツラ」、果ては書家としても名高い地元の住職が揮ごうしたおごそかな玉ねぎの文字になれる顔出しパネルなどなど、見渡すかぎり玉ねぎ玉ねぎ玉ねぎ。

まるで玉ねぎのテーマパーク。開店と同時に館内は来訪者で溢れ、玉ねぎのウイッグをかぶりスマホで撮りあうなど、とても楽しそう。

巨大な玉ねぎのオブジェ「#おっ玉葱」
格好の撮影スポットとなっている
傷つけると「たまねぎ10年分」を買わなければならない
館内には「おっ玉チェア」がふた玉並ぶ
玉ねぎのクレーンゲーム「たまねぎキャッチャー」
玉ねぎの文字になれる顔出しパネル「玉ねぎになりたい」

さらに驚いたのが、玉ねぎの王子様の登場。玉ねぎの国からやってきた王子様「玉 王子(たまおうじ)」に扮するのは、ショップ「うずの丘 味市場」担当の倉田祐貴さん(23歳)。

長身で、笑顔が素敵なイケメンです。王子様のような高貴さとほがらかさを併せもつふるまいで、おすすめ商品の説明をしたり、玉ねぎがつかめる「たまねぎキャッチャー」でコツを伝授したりと大活躍。

玉ねぎの国から来た王子様「玉 王子(たまおうじ)」

倉田 「僕はもともとは奈良県の出身なんです。ひとり旅が好きで、大学時代にやってきた淡路島がとても気に入って、2年前に移住しました。誰から命令されたわけではなく、自ら『王子をやらせてほしい』と名乗り出ました」

そうして現在は玉ねぎをPRする生きたキャラクターとして笑顔をふりまいています。ただし玉 王子は神出鬼没。素の倉田さんの状態で業務していることもあるので、そこはご海容のほどを。ちなみに以前は玉ねぎのお姫様「玉こねぎ」ちゃんもいたのだそう

ショップ「うずの丘 味市場」を担当する玉 王子。商品の説明もしてくれる
「たまねぎキャッチャー」のコツも王子様に伝授してもらえる

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