鳥取で500年続く祭りが題材。郷土小説の漫画化について聞いてきた

2017.04.12
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江戸時代から伝わる「江尾十七夜」というお祭りをあなたはご存知でしょうか?この度、このお祭りを題材にした小説「天の蛍~十七夜物語~」を原作とした、コミックスが発売されました。舞台は戦国時代の鳥取県江府町。主人公は、両親を失った波留(はる)という少女です。妹と別れ、旅芸人一座で踊り子になった波留は、妹を探す中で、「江尾の十七夜」に偶然迷い込みます。その江尾城主との出会いから運命の歯車がまわりはじめる…といった内容になっています。
今回、鳥取の魅力を発信する「鳥取マガジン」では、今回本作の絵・構成を担当した漫画家・小村博明さんにインタビューをしています。郷土小説のコミックス化には、本当に沢山の苦労があったようです。

漫画家小村博明。「天の蛍〜十七夜物語〜」のコミック化「地元とのつながりがうれしい」

漫画版「天の蛍~十七夜物語~」が発売されました。今回はその絵・構成を担当された漫画家小村博明さんにお話を伺いました。

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江府町の江尾十七夜

鳥取県江府町には500年伝わる江尾十七夜というお祭りがあります。毎年8月17日になると、地区内外から多くの人が訪れます。江尾十七夜を題材にした歴史小説「天の蛍~十七夜物語~」。2015年に出版され、鳥取県を中心に話題となりました。そして次はコミック化されることになり、現在発売中です。 

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十七夜物語 天の蛍コミック版

地元とのつながりがうれしい

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若い人が読んでくれるように、古さを感じさせない新しい漫画にすることを心がけた、と語ってくれました。

「地域で漫画を作ると、郷土本の難しいものになりがちです。若い人が離れないものを作りたいと考えました。絵のタッチはもちろん、値段の設定も、小学生でもおこづかいで買える値段にしました。」

1000円以内なので(定価800円)気軽に買えます。郷土本だと少し高めに設定されていることが多いですから、これは嬉しいですね。

コミック化の話しが来た時は素直に『うれしかった』

昨年の春先に小村さんに直接声がかかります。まさに青天の霹靂でした。

「昨年の春先に、声をかけてもらった時はまだ決まってもいないのに、家族に電話して『天の蛍を漫画にするぞ!』って宣言して、ガッツポーズしたりしていました。地元とつながりが出来たことがすごくうれしくて。」

「日頃から地元のテーマで仕事がしたいと思っていたから、今回の話しが来た時は素直にうれしかった」と語ります。

難航するピックアップ作業

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しかし実際に描きはじめると、たいへんな作業が待っていました。小説はおよそ500ページ程度の大作。出版社からは、それを200ページ程度でまとめてほしいとの依頼が。

「一番きつかったのが、原作を短くすることです。長いと、例えば1冊目の評判が良かったら、2冊目を出版するって感じにすると、万が一途中で終わってしまうことも考えられるので、、、、。検討した結果、1冊の漫画にするっていうことを決めました。」

「まずエクセルにすべてのエピソードを入れて、どれを漫画にするかピックアップの作業をしました。どうしてもバサッて切らないといけないポイントが出てくるので、とてもハードな仕事でした。これを決める会議は相当長引きました。」

当初の計画から40%増のページ数

当初の計画は200ページ。でもそうすると、どうしても展開が早すぎてしまいます。

「もっと『ま』をしっかり持たせて、心が動くものを描きたかったので、ページを増やしてもらいました。『無理矢理まとめたんだ』ってなってしまうのはイヤだったので。1番は感動させるものを描くということで、ページを長くしてもらいました。」

当初の計画より、長くなることで良い『ま』ができています。舞や戦闘シーンなどで、感じることができます。

 

キャラクターの表情を見てほしい。

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キャラクターの表情にはこだわったそうです。登場人物の揺れる心を、伝えることができる表情。それは漫画にとって生命線でもあります。

「この表情で『細かいニュアンスがうまく伝わるのか?』と考えながら、こだわって書きました。」

「原稿を書く時は、最初セリフがない状態で描いています。その時アシスタントさんに『セリフが入ってなくても(話しの内容が)分かる』って言われたことが嬉しかったです。そこが伝わっているのは1番重要でした。」

確かに、喜びのシーン、悲しみのシーン、表情豊かに表現された漫画となっています。

テーマは『つなぐ』

この漫画のテーマの1つは『つなぐ』です。エンディングで『つなぐ』を表すことができたと小村さんは話します。

「漫画と原作、少しエンディングを変えています。これが過去のシーンと上手い具合リンクしました。今回漫画のテーマの1つになっている『つなぐ』っていうことが、最後につながるので、そこを感じ取ってほしいですね。」

作品の中でいろんな伏線が回収されていく様子も、是非見て欲しいとのこと。

鳥取発の小説とそのコミック。地元の作品を地元の作家と漫画家が描いたことはとてもうれしいことです。原作・漫画版どちらもクオリティも高い作品となっていますので、1度手に取ってみてください。また歴史に興味がある方も、しっかりした内容になっていますので、おすすめです。

小説は難しい内容ではないものの、ページにして500ページ程度の大作。小・中学生や活字が苦手な人の元には届かないかもしれません。その点コミックは特に若い世代に届けられやすい媒体ですので、その点、小・中学生からも読むことができます。

本は県内にある今井書店他の書店、Amazonなどで購入できます。

漫画版「天の蛍」はこちらから

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十七夜物語 天の蛍コミック版

小説版「天の蛍」はこちらから

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天の蛍―十七夜物語

 

※こちらの記事は、”鳥取の魅力を発信するWebマガジン”「鳥取マガジン」より許可を頂いて掲載しております

記事提供:鳥取マガジン

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ジモトのココロ編集部
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