さよなら、JR三江線。日本の美しいローカル路線がまたひとつ廃線へ

2017.02.22
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広島県と島根県の山間部を走るJR三江(さんこう)線をご存じでしょうか。ローカル線ファンにはおなじみのこの路線は、三次駅(広島県三次市)と江津駅(島根県江津市)を結ぶ全長108.1kmのローカル線です。所用時間は3時間超、35駅を数えます。中国地方最大の川「江の川」とほぼ平行して運行され、川沿いの美しい風景に心癒される三江線ですが、残念ながら2018年3月31日をもって廃線となります。はじめて乗車した時から三江線に魅了され、取材に幾度となく足を運ばれたのは『中国地方 ローカル線の旅ガイドブック~愛しの三江線~』(ザメディアジョンプレス)の著者やまもとのりこさん。今回、三江線の魅力についてたっぷりお話を伺いました。

ローカル線「三江線」に魅せられて

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ーやまもとさんが初めて三江線に乗車されたのはいつですか。

初めて乗車したのは2015年8月、浜原駅で開催された三江線全通40周年記念イベントへ行くためでした。島根県川本町出身で北九州市在住の友人に以前から「三江線はいいよ!」と聞かされ続けていて、徐々に洗脳されたというか(笑)。そんなにいい路線ならイベントもあることだし、一度乗ってみるか!と、予備知識も何もないまま、一人始発駅の三次駅に向かいました。

全通40周年を迎えた浜原駅。全通記念碑があります

全通40周年を迎えた浜原駅。全通記念碑があります

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ローカル線ならではの懐かしいのんびりとした風景も

 

ーその時、乗車された列車(車両)はどんな感じでした?

三次駅に待っていた「神楽列車」に乗り込みました。

車内は満員おおにぎわい!

列車は外側だけではなく車内まで石見神楽の写真イラストのラッピングが施され素敵でした。車内では三江線の写真展示もされていて、楽しめましたね。

神楽列車

ーローカル線は土地の人との出会いもありそうですね!印象的な出会いなんてありました?

ボックス席が1つだけ空いていたので着席すると、相席が偶然にも安芸高田市の市長さんでした。

「いつもこんなにたくさん乗ってくれたらいいんだがなあ」、「スタッフは荷物があるから先に車で行ったけど、オレは三江線活性化議長だから、車で行くわけにはいかん!三江線で行くんだ…しかし時間がかかるなあ(笑)」と仰いました。

私が広島市内から来たというと大変喜ばれ、車窓から川を指さしながら「あそこは岩の陰に鮎がいてよく釣れる場所」などと道中、地元っ子しか知らないような色々な場所の説明をしてくださいました。三江線が地元に愛されているのを感じましたね。

撮影・鈴木華子(Instagram @hanakobiyori https://www.instagram.com/hanakobiyori/)

山間部を走る三江線 撮影・鈴木華子(Instagram @hanakobiyori

作木口駅付近の雪景色 (撮影・鈴木華子)

 

ーそれはステキな出会いを引き寄せましたね(笑)。三江線に乗車した時と下車した時では、気持ちも大きく変わっていたのではないですか?

江の川の雄大な流れ緑なす山々三江線の車窓からの風景は本当に素晴らしい!

建物がない区間もあり、自然そのものです。その風景をのんびりと眺めながら列車は進みます。贅沢な時間です。このとき、仕事が立て込んでいて疲れ目がひどかったのが、緑の風景を眺めているうちに治ってしまいました!これ、実話です(笑)。

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車窓から見る景色は緑がいっぱい

 

 

そして赤い石州瓦の屋根が並ぶ集落懐かしい日本の田舎の風景の中をディーゼルエンジンの気動車がガタゴト進みます。友人の「三江線はいいよ」という言葉に胸中大きくうなずきながら、浜原駅で下車したときには、すでに三江線の大ファンになっていました

浜原駅とその周辺では、遠方からやってきた多くの三江線ファンはもちろん、地元の方々や市町村の長の皆さんが集い全通を祝い「これからも存続に向けてがんばろう!」と心をひとつにしたことを覚えています。

また、屋台で食べた柚子煮やなす漬け、山くじら(イノシシ)の串焼きや地酒など郷土食の美味しさにも魅了されました。このとき、私の胸に、三江線と沿線の素晴らしさを多くの人に伝えたい…という思いが芽生えました。

御田けいこ
人生の設定は「いつでも、どこでも、食いしん坊バンザイ!」。人に会い、土地を歩き名物にふれ、郷土の味をあじわいつくす、をテーマに今日もどこかを踏みしめ歩いています。広島県生まれ。

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