信州人を惑わせる、「カリン」と「マルメロ」の正しい見分け方

2017.10.10
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のど飴や飲み物にしばしば入っているカリン。実際どんな果物かご存知の方はあまり多くないのでは?しかもそのカリンにそっくりなマルメロという植物があることはご存知でしょうか? 無料メルマガ『安曇野(あづみの)通信』によると、カリンとマルメロはどちらも信州・長野県に広く分布しているのだとか。両者の違いを詳しく説明しています。

カリンとマルメロ

私の住む信州松本、縄手通りのなかほどにある蕎麦の弁天楼。その入口の左右にカリンとマルメロの木が植わっている。マルメロの葉の方がちょっと大きいが、両方とも卵形の深い緑色の厚い葉、初夏には白か濃いピンクの美しい可憐な花を咲かせ、秋には強い芳香を放つ洋梨形、また卵形の実を結実させる。

カリンもマルメロも同じバラ科の落葉小高木なのだが、カリンはカリン属(以前はボケ属に整理されていた)、マルメロはマルメロ属。

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カリン

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マルメロ

植物辞典には、カリンは中国原産、マルメロの方はペルシア、トルキスタン地方原産とある。共に江戸時代、日本に渡来したようだ。が、渡来時期不明としている本もある。

両方とも酸味が強く固いので、生食には適さない。それ故八百屋やスーパーに並んでいることは少ないが、地産センターや収穫祭などの店頭では良く見かける。

 

カリンとマルメロの実の違い、私が見た範囲では、マルメロは洋梨形が多く表面に産毛がある、カリンは表面がつるつるしていて、収穫期はマルメロより遅い。切った感じでは、カリンの方がより硬い。

 

信州には両方の木がけっこう分布し、時にごっちゃになっている。マルメロのことを、信州では諏訪地方を中心に伝統的にカリンと呼んで来た。どうも今さらマルメロと呼べるかいというようなムードもある。だからか、カリンを本カリンなどと呼んで区分している。

 
生食には向かないので、砂糖漬けや果実酒ということになるが、私の場合、果実酒はともかく、砂糖漬けはあまりうまくいった試しがない。カリンの果実に含まれる成分は咳や痰など喉の炎症に効くとされ、のど飴に配合されていることは良く知られている。

 

なお、カリンの並木は聞いたことがないが、信州では、マルメロは諏訪湖岸通りの並木がよく知られているほか、東信、長和町(旧長門町)の国道152線は通称、マルメロ街道と呼ばれている。また安曇野の安曇野スイス村前の道路にもマルメロ並木がある。

カリンとマルメロ、こんなとこへ好き嫌いを持ち出してなんだが、私は断然カリンの方が好き。

そしてカリンというと、風の又三郎

 ”どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも 吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう” 

という文句が口から出てくる。

 

『安曇野通信』 発刊以来10年、みすずかる信濃はアルプスの麓、安曇野を中心に信濃の光と風、懐かしき食べものたち、 野の花、石仏、植物誌、白鳥、温泉、そしてもろもろ考現学などを、ユニークな(?)筆致でお届け。

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